プロフィール

山本のりこ
Noriko Yamamoto | Bossa Nova | vocalist, guitarist, songwriter
 
【お知らせ】
2022年をもってライブスケジュールのブログ掲載を終了いたしました。今後は終了後のレポートのみを投稿してまいります。ライブの開催予定は公式Web、またはTwitterにてどうぞご確認ください

2020-05-29

遅れてきた日記:12月のノースマリンドライブ

いつもお世話になっている渋谷のノースマリンドライブも約2ヶ月休業されていましたが、今週から再開されています。お店が無事でひと安心ですね。

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12/22 X'mas live @ノースマリンドライブ

 

 

毎年恒例でやらせていただいてるクリスマスのソロ。

今年は、同じ月にあった大阪でのジョアンのトリビュートの内容を半分トレースしつつ、トッド・ラングレンなんかも演ってみました。

トッドの「I Saw The Light」はなぜか物凄くウケが良くて(笑)、店内が楽しい雰囲気に包まれました。いい曲なんだなぁ。

 

 

お店でキャンドルも灯してくださって、2019年のライブ納めはとってもいい雰囲気になりました。

 

 

2020-05-25

遅れてきた日記:12月のでみcafe お初セッション

自粛も出口が見えてきたそうです。休業に慣れてきてしまい、何となく、夏休みの最後のようにあせります。

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12/7 Jazz & Bossa live @武蔵小金井 でみcafe
with Yoichi Suzuki Trio

 

Yoichi Suzuki Trio と一緒に
右から 鈴木洋一(g)さん、私、蔡怜雄(per,dr) さん、 島田さゆり(bass)さん

ベーシストの島田さゆりさんからお誘いをいただき、彼女がメンバーに入っているジャズギタートリオと一緒にライブをやらせていただきました。曲はジャズとボサノヴァの半分づつで、私はボサノヴァの部を担当。

長らく気心が知れているという3人さんで、ファミリーバンドのようなリラックス感があります。ボサノヴァの曲は初めて演奏してもらうものもあったけど、しなやかにお互いの音がフィットしました。

 

ジャズの部ではトリオの演奏をゆっくり楽しみました。

島田さゆりさんとは、今後も何か一緒にやりたいですねと話しています。日本でブラジル音楽を弾けるエレキベース奏者はいま本当に少なく、しなやかなビートを持ったさゆりさんの存在は貴重です。

でみcafeさんの入っている建物は地域の文化振興プロジェクトに活用されているそうで、写真の右側の暗い入口の向こうは、ギャラリーになっています。このギャラリーがまた良い感じでしたよ。

でみcafeさんは「おからドーナツ」などヘルシーな軽食や、ランチもやっておられるそうです。間取りの下見で一度お茶に寄ったとき、美味しいサンドイッチを食べました。また行きたいな~

 

 

2020-05-21

歌集 黒い光

『歌集 黒い光 二〇一五年パリ同時多発テロ事件・その後』
松本実穂
(角川書店)

 

 

写真とともに綴られた歌集。

松本実穂さんは高校時代の級友です。お互い自分のことで精一杯で音信を交わしていない時期も長くありました。ご家族でフランスに17年あまり駐在されていたそうです。パリの同時多発テロが起こってからの情景や心に立つさざ波を、市井の人の目線で短歌に編み、それが一冊の本にまとめられました。

作者の意図は違うとしても、タイトルから私は夏目漱石の「こころ」を思い出します・・。光のように差してくる一筋の暗さ、心を照らす闇。モノクロームの写真からそんな感じを受け取りつつ本を開きました。

好きな歌はいくつもあって選びにくいのですが、紹介してみましょう。

 

『追悼、愛国、右に倣えといふごとくトリコロールの顔が増えゆく』

『はだか木にぱくりぱくりと残りゐる柘榴あるいは昨日のわたし』

 

実はこれ以外に一番好きな歌がひとつありますが、それは本で読まないと良さがわからないので、内緒にしておきます・・

 

ページをめくると、カメラのシャッターをイメージさせるような鋭くて速いスピードの言葉たちが次々と駆け抜けていきました。

Amazonなどでも買えるそうですので、興味のある方はどうぞお求めになってみてください。

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実穂さんは高校時代は確か運動部で、太陽のように明るいイメージのする人でしたが、いっぽう、ノートに何か詩や小説?を書いたりしているのも見かけたことがあります。

その頃から感受性のみずみずしさが多いに伝わってきていたものの、この歌集から受けたナイフのような切れ味は、当時の私は想像することができませんでした。でもその時すでに彼女の中にあったに違いありません。

充分な大人になって表現されたものを、充分な大人の自分が味わえる、ということ・・ 時の成熟に幸せを感じています。

 

 

2020-05-17

遅れてきた日記:12月のチッポグラフィア

12月あたりからライブの日記が止まってしまってたので取り戻していこうかと思います。

 

12/1 珈琲とボサノヴァの一日 @チッポグラフィア
-ジョアン・ジルベルトを想う-

 

毎年テーマを決めてやらせて頂いているソロライブ、大阪は豊中の焙煎珈琲店チッポグラフィアさんです。

昨夏にジョアン・ジルベルトが亡くなり、一体彼は何物だったのか? 私にとって何なのか? そんな問いをもう一度考えてみたいと思っていましたが、ジョアンという人はまるでそういったお尋ねを拒むかのような存在でありました。

とにかく黙って聴けばいいのさ、とばかりに繰り出される、無重力の世界。

でも、その年の内にいちおうの"落とし前"をつけておきたいという思いがどうしてもあり、初めてジョアン・ジルベルトだけをテーマにしたライブをすることにしました。

曲を選ぶにあたって、あたらめてジョアンの録音を順番に聴き、一番心惹かれたのは「Em Mexico(彼女はカリオカ)」でした。アストラッド、ジョビンとともにボサノヴァのセンセーションを世界に巻き起こした後、ブームが終わって落ちぶれた(と音楽本には書かれている)ジョアンはメキシコで人知れずアルバムを録音。

その後、有名な「Aguas de Marco(三月の水)」が出ることになります。70年代の世界中の新しがり屋はモダン・アートに憧れていました。つまり今まであったものに別の意味づけをするという方法。ウォーホルがキャンベルの缶詰を描いたように。

ジョアンは自分のやり方でモダン・アートに接近したんではないか~ と、思えてくるのです。

私は「三月の水」というアルバムはあんまり好きじゃなくて、その前の「Em Mexico」の、スタイルが出来上がる途中のような雰囲気、何かを探しているような雰囲気に魅力を感じます。

というわけで、ライブの選曲は「Em Mexico」からが半分ぐらいになりました。

 

この中に入っている「O Astronauta(宇宙飛行士)」も、時代の空気を含んだ曲です。宇宙ブーム・・。小惑星、金星、火星が登場する、個人的にたまらない歌詞です。日本でも70年代には宇宙を歌った歌謡曲がいっぱいあって、ピンクレディー、キャンディーズ、百恵ちゃんetc... 幻想の世界へ連れて行ってくれました。

この日のお客様には楽しんでいただけたようで、とても嬉しかったです。

 

素敵なチッポグラフィアの店内。

 

イベントのために特別に用意してくださった焙煎、「ジョアン」。
東京に持って帰り、宝塚の銘菓、菅屋の栗まんじゅうとともに楽しみました。

 

ここ数年は12月の始めというとまだ暖かく、晩秋の装い。移動の車窓からはきれいな夕方の光が見えました。

 

 

2020-05-16

Maria Maria クアルテート・エン・シーになりたくて

5月も自粛が続いています。すっかり半袖の季節ですね。

私は、給付金の申請をすすめつつ過ごしています、長丁場になりそうです。

連休の間はQuarteto em Cy をよく聴いていました。『ブラジルの良心』としばしば呼ばれる、素晴らしいコーラスグループです。

聴いてるうちに自分も歌いたくなってきて、多重録音してみました。

学生の時は、ダブルカセットのデッキを手に入れたのが嬉しくて、こういうのを録音してよく遊んでました・・(ピンポン録音というやつですね)。 この作業。暇な時間がいっぱいないと出来ないのでもうやることは無いだろうと思ってましたが、思わず暇に恵まれてしまったので(笑)、人生何があるかわからないもんです。

 

Maria Maria はミルトン・ナシメントの代表曲です。ミルトンはビートルズに影響を受けているので、その感じがありありと出てますね。 em Cyは"Em 1000 Kilohertz" というアルバムでカバーしています。

本家をぜひ聴いてください。最後のほうは声の万華鏡みたいです。 あっ、総本家のミルトンのバージョンも聴いてね。

 

 

2020-05-07

レッスン 5/7~5/31の休止について (期間再延長について)

生徒様各位

お世話になっております。その後お元気でお過ごしでしょうか。

東京都より5/7以降の自粛の指針が出ました。レッスン休止状況と、再開時期の見通しについてあらためて下記にお知らせいたします。

ひきつづき、くれぐれも健康に気をつけてお過ごしください。

山本のりこ

2020.5.7

 

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●新大久保 クロサワ楽器レッスン

5/31までひきつづき休講です。6月からの再開の目途については、5月下旬にお知らせいたします>

 

●荻窪レッスン

5/7からの再開を検討しておりましたが、行政からのひきつづきの自粛要請、また杉並区内でも小クラスターが発生していることから、休業しております。再三の変更で申し訳ありません。再開の目途についてはっきりしましたら、このブログとホームページでも情報をお知らせいたします。

 

 

2020-05-05

Vai Levando

ステイホーム中、家で撮った短い動画をツイッターにupしています。
その中から、Chico Buarque の「Vai Levando」

 

 

ジョビン、ミウシャ、シコ・ブアルキの3人で楽しげに歌われているのが有名ですが、歌詞は相当にシニカルかつユーモラスでシコの世界が満開です。

7番まであって(長い)、ビデオはそのうちの3番までです。3番は少しメロディが違っててそれが面白い。

韻とか暗喩は日本語になると分からなくなってしまうし、私もはっきり分からない所もありますが、和訳してみましょう。

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Vai Levando
(Chico Buarque)

1. すべての評判、ブラーマビール
寝床 汚泥 にもかかわらず
人々はやっていく
その火を消さないように

2. すべてのワッペン
問題 システム イパネマ中で いろいろあれど
人々はやっていく
その輝石を絶やさないように

3. することもなく 暗い部屋で
胸につっかえて しかめっつらで
やりようがなく 傷みが癒えず
それにしても 毎日
上手くいくことや いかないことを抱えて
人々はやっていく
その指導者とともに

4. すべてのロック ポップ
ストック イボッピ(世論調査をする会社)
いろいろあれど
人々はやっていく
弾くことを続けて

5. 怒り 英雄の偉業
ピカーニャ(イチボ牛肉)、社会運動
すべてを抱えて
人々はやっていく
その朝もまた

6. エスチーマ(尊敬) エスグリーマ(フェンシング)
クリーマ(天気) トードエンシーマ(最高!)
人々はやっていく
そんな韻を踏みながら

7. 投票 組織グループ
概要報告 シラブル(音節)
人々はやっていく
演奏しながら
飲み込みながら
錠剤に金メッキをして

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※dourando pílura

=錠剤を金色にする

困難なものを"苦い薬"に例えて、まわりを金色に覆ってなんとか飲み込めるようにごまかす、ということだそうです。

 

 

2020-05-03

近況 5月、コロナと行政と私

連休に入りましたね、皆様お元気ですか?

私は休業の過ごし方にもようやく慣れてきました。政府のお達しは4月でしたが、3月中旬から自粛しているので、1か月半ぐらい経ったでしょうか。

いろんな方から「何か支援できることがないか」と連絡をいただきました。また、先日にブログでお願いしていたyoutubeの登録での応援、CD通販の購入もいただいています。本当にありがとうございます。

*  *  *  *  * 

今回の件については、行政の対応の遅さや鈍感さ、言葉不足、沢山の弱点があらわになってとても残念。憤りを感じています。時間が経つとこういったことが埋もれ消されていきそうなので、やや固い話になりますが、今身辺にあっていることを書き留めておきたいと思います。

都と国から事業者向けにお知らせのあった「拡大防止協力金(東京都)」「持続化給付金(国)」を申請できるように、先日から準備をしているところです。

ミュージシャンの営業収入には沢山の種類があり、たとえば私の場合は、演奏、音楽教室、CD販売、音楽制作、作曲印税、デジタル配信のストリーム収入など があります。そのうちのどれを自分が申請できるかを調べると、こんな感じになりました。

 

ですから、自分で運営している荻窪教室ついて給付金の申請をすることになりました。通るかどうかはまだわかりませんが、まずは申請できるだけでもすごく気持ちが楽になっています。

同業のミュージシャンでは、すべての仕事について救済の制度がない人もいそう。生演奏にこだわって活躍している人ほど大変だろうと思います。

このブログを読んで下さっている方々のなかでも、お仕事や生活に影響が出て不安な方がいらっしゃるでしょう。毎日の生活には、なによりもフレッシュな気持ちが大事ですよね。適度に息抜きもしつつ、自分の中に新しい空気を入れていきたいものです。

ひきつづきお元気で!

 

 

 

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