12月あたりからライブの日記が止まってしまってたので取り戻していこうかと思います。
12/1 珈琲とボサノヴァの一日 @チッポグラフィア
-ジョアン・ジルベルトを想う-
毎年テーマを決めてやらせて頂いているソロライブ、大阪は豊中の焙煎珈琲店チッポグラフィアさんです。
昨夏にジョアン・ジルベルトが亡くなり、一体彼は何物だったのか? 私にとって何なのか? そんな問いをもう一度考えてみたいと思っていましたが、ジョアンという人はまるでそういったお尋ねを拒むかのような存在でありました。
とにかく黙って聴けばいいのさ、とばかりに繰り出される、無重力の世界。
でも、その年の内にいちおうの"落とし前"をつけておきたいという思いがどうしてもあり、初めてジョアン・ジルベルトだけをテーマにしたライブをすることにしました。
曲を選ぶにあたって、あたらめてジョアンの録音を順番に聴き、一番心惹かれたのは「Em Mexico(彼女はカリオカ)」でした。アストラッド、ジョビンとともにボサノヴァのセンセーションを世界に巻き起こした後、ブームが終わって落ちぶれた(と音楽本には書かれている)ジョアンはメキシコで人知れずアルバムを録音。
その後、有名な「Aguas de Marco(三月の水)」が出ることになります。70年代の世界中の新しがり屋はモダン・アートに憧れていました。つまり今まであったものに別の意味づけをするという方法。ウォーホルがキャンベルの缶詰を描いたように。
ジョアンは自分のやり方でモダン・アートに接近したんではないか~ と、思えてくるのです。
私は「三月の水」というアルバムはあんまり好きじゃなくて、その前の「Em Mexico」の、スタイルが出来上がる途中のような雰囲気、何かを探しているような雰囲気に魅力を感じます。
というわけで、ライブの選曲は「Em Mexico」からが半分ぐらいになりました。
この中に入っている「O Astronauta(宇宙飛行士)」も、時代の空気を含んだ曲です。宇宙ブーム・・。小惑星、金星、火星が登場する、個人的にたまらない歌詞です。日本でも70年代には宇宙を歌った歌謡曲がいっぱいあって、ピンクレディー、キャンディーズ、百恵ちゃんetc... 幻想の世界へ連れて行ってくれました。
この日のお客様には楽しんでいただけたようで、とても嬉しかったです。
素敵なチッポグラフィアの店内。
イベントのために特別に用意してくださった焙煎、「ジョアン」。
東京に持って帰り、宝塚の銘菓、菅屋の栗まんじゅうとともに楽しみました。
ここ数年は12月の始めというとまだ暖かく、晩秋の装い。移動の車窓からはきれいな夕方の光が見えました。
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